ちいさな肩のうえに
あなたの胸があつい
溶けてゆく柔らかなひろがり
そして すこうし汗
決してたどりつけない
だから遠さにあこがれてしまう
それならば見えてはいないのだろうか
こんなにもあなたの胸があつくふるえ
そのなかに
こんなにも確かに
あなたの鼓動を感じられるのに
愛の余熱に息苦しい
夢のなかでしか夜は生きつづけられないのか
願いのかたちをして
吐息があなたの耳の奥を吹く
夜の行方はいつもしらじらしい朝
だからいつも夢なんか見ようとする
遠さはたどりつけないから遠いというのに
やがてそのうち
日常のはじまる音がする
たくさんのひとびとが
夜を洗い流そうとまた歯を磨きだす
あなたの出てゆこうとするテーブルから
あまりにも唐突に
昨夜食べのこしたプリンが落ちる
この白い朝
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