fragments 8
激しい爆撃のニュースのあとは
グルメレポーターの笑い声
午後の陽ざしが
リビングに落ちて
あなたはうたた寝をしている
どうか
あなただけは
永遠にしあわせであれと願う
それがどれほど卑怯か
気づかないふりのまま
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fragments 9
明日の激しい砲撃で
そのいのちが砕けることを
瓦礫で遊ぶこどもは知らない
熱い抱擁の後
恋人と絡めたその指が
ためらいがちに弾く引鉄で
こどもの母親が倒れることを
眠りについた兵士は知らない
美しい星空の地球で
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fragments10
顔も名前も
声さえ知らない人を殺した
自分の放った砲弾が
いのちを奪ったことにすら
気づいていないかもしれない
知らないあいだの殺人を
だれが罰してくれるだろう
それとも輝かしい勲章を
胸に飾ってくれるだろうか
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fragments11
砲弾の破片を無数に抱いたまま
まもなく私は死んでしまう
からだに
これほどたくさんの血が流れていたと
いまさらのように驚く
おかあさん
あなただけは逃げのびてください
寒い寒い寒い
どうしてこんなに暗いのだろう
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fragments12
最後の願いを聞いてくれ
どうか体を起こしておくれ
俯せでなく
仰向けで死にたい
故郷の空の
色を広さを高さを
この眼に焼きつけておくから
息が止まったら取り出し
コップに浮かべてほしい
濁った水も
綺麗にするから
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fragments13
あなたの恋人が
私に銃口を向けた
私の息子が放った砲弾が
あなたの母親の上で炸裂したかもしれない
あなたに繋がるひとびと
私に繋がるひとびと
繋がっているたくさんのひとびとの
どこに境界線を引けばいいのだろう
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fragments14
さようならもいえなかった
ありがとうもいえなかった
どんなふうにしんでしまったのか
じぶんでもよくわかっていない
あっというまのことだった
なくこともできなかった
ただ
あなたのことを
いっしゅんおもいうかべた
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