不在証明 そこにいるただそれだけの理由であなたを愛せるこれは不遜な考えだろうかたとえば〈たとえば〉という言葉ひとつであなたについて語ろうとするのは 名づけることでそれは私のなかで息衝きはじめる不在証明とはだから名前を消し去ることだ名づけられ…
いざない あした真夜中の海にこないか果てしない波のくりかえしのなかでいつまでも眠る真珠になろう それは美しい歌でもなくそれは誓いの言葉でもなくただうずくまるだけの真珠その透きとおる肌のおもてにあらゆるものを映して どんないろやかたちやにおいも…
視線 ふたりでいるときよりも ひとりでいるときのほうがずっと あなたのことを感じていられる 恋のはじまりとは嫉妬でしかない そんな感情をもてあましながら まぶしさについて考えている 光はどこかに闇があるので あんなにかがやいていられるのかしら たと…
これから、青山勇樹の詩集『リエゾン LIAISON』のなかから、詩を紹介していきます。